ワイドラックス F8 使用說明書

2011.02.07 10:03 from notice

まえがき

光学日本が世界に誇れる弊社のワイドラックスをお求め下さいまして厚くお礼申し上げます。

如何に高性能などんな機械でも使い方を良く呑み込んで正しく無理のない、使い方でなければ其の機械の性能を充分発揮できないばかりでなく、故障や破損の原因になる事は今更申すまでもありません。

このワイドラックスをお使いになる場合も自分は既に色々なカメラを使用した経験者だからと鵜呑みにせず、新しい物、変った物にはそれぞれ違った特徴のある事を頭においてどこが変っているか、又どこを注意しなければならないかという点をカメラの性能保持の上からも次の頁にある各部名称に依って、使い方の要点を良く呑み込んで超広角カメラの持味を遺憾なく発揮してください。






フィルムの入れ方

① 先づカメラ表面中央の「ロックノブ」の赤点の印をUNLOCKに合わせ裏蓋をはずし、次に「捲戻しノブ」はスプリングの作用しない部分と作用する部分との二段になっておりますからスプリングの作用する部分まで上方に充分引き上げ、フィルム入れに、フィルム マガジンを入れ、引き上げた「捲戻しノブ」を元の位置に押し下げます。



② 次にフィルムを通し易いように左上 A 図のようにフィルムの先端を少し丸め、太い方のローラーの下より細いローラーの下へと順次に通してフィルム捲上げスプールのフィルム差し込みにしっかりと差し込んで下さい。

③ それがすみましたらカメラ底面の押しボタンを押したまま捲上げノブを使わず、スプール両側のギザギザの歯山を指先で内側の方に静かに廻しながらフィルムをスプールに一回ほど捲付けます。この場合フィルムの両側の穴にフィルム送りギアーの歯山が正しく入っていないとフィルム捲上げの時、破れたり又正確に送られませんからよく点検して下さい。これは一般のカメラでも同じ事です。

④ フィルムが正しく入ると下の背面写真及び断面図参照の通り曲線になって入りますから、カメラと次の図をよく合わせて点検して下さい。




⑤ それがすみましたら裏蓋を左右間違わないようUNLOCKの文字の方を左にしてかぶせ、しっかりと押し付けるようにしてロックノブの赤点印をLOCKの文字下方の矢印に合わせて締めればフィルム装填ができたわけです。

⑥ フィルムを入れる時少しだぶついって入ったようでしたら、捲上げノブを使ってフィルムを捲上げ空シャッターを2回ほど切ってそれから本撮影に入ります。又、だぶつかないで具合よく入った時は空シャッターは1回ほどで結構です。

⑦ フィルム捲上げの際、普通のカメラより多少重く感じますが、これは超広角に撮影する機構上フィルムを曲線に入れてあるためで使用上なんら差しつかえありません。

フィルム捲戻し
撮影が済んでフィルムを捲戻す場合は、カメラ底部の押しボタンを押したまま捲戻しノブを引き上げ矢印の方向に廻して捲戻します。

⑨ フィルム マガジンは万国共通規格なのですが、数多くのフィルム メーカーがあるため寸法が一致していない事にお気付きですか。フィルム捲軸と外側のマガジンがゆるいのやら、極度に固いのがあるのでカメラの機構は完璧でもこおしたマガジンの寸法不揃いによって捲上げ、捲戻しの重い軽いも出できますから良品を選び下さい。


このカメラが市販されるまでには、弊社の厳重な種々のテストに合格し、更に日本写真機検査協会に於て撮影テストをはじめ、耐久検事やメッキ塗装、皮張りに至るまで多くの厳重な検査を経て然る後市販されるもので、品質の保証はこの上ないものでありますが撮影の場合、次の点を必ずお守り下さい。


撮影上の注意

被写体にカメラを平行で向ける事
シャッター スピード目盛以外で中間シャッターを切らない事
装填したフィルムが36枚撮り捲長か、20枚撮り短捲か忘れない事
カメラを持った指先に注意する事
その他

以上の五点について①からその理由を順次説明いたしますが、ワイドラックス使用上の基本的な事柄ですから必ず注意して下さい。

① マジック的な写真を撮影する以外は必ず被写体にカメラを平行に向けて下さい。
レンズ回転式ですから平行に向けず下向きに向いていると写真の中に写る水平線の中ほどがカーブしてふくらんで写り、反対に上向きに向いていると中ほどは窪んで写ります。
ファインダーの中心にまつ毛がかすかにふれるくらいに目を近づけ、よくのぞいて被写体の中に水平に見える物を捉え構図を作って撮影して下さい。2、3回で要領がのみ込めます。ファインダーで見える範囲は写真に写る広さの90%ですから、ファインダーで見てギリギリでも実際は左右に相当余裕があります。構図を作るのにファインダーで見える被写体を気にする事なく構図を作って撮影して下さい。
尚、日本工業規格をはるかに上廻る非常にシャープなピントのレンズであり、更にレンズの最もピントの良好な中心部のみを利用して撮影するので、他には見られない驚異的な深度があり、又、固定焦点ですから撮影の都度ピントをいちいち合わすわずらわしさがなく、F8に絞れば無限遠よりで近接0.8mの撮影が可能です。

② シャッター スピード目盛以外のところで中間シャッターを絶対に切らないで下さい。
自動車の変速機のようなギアー機構ですから、目盛以外のところではギアーが正確に嚙合わないのでギアーの山先を破損し、シャッター ムラの原因となりますから絶対にさけて下さい。シャッター スピードを変える場合は、シャッター ダイヤルを引き上げたり押したりせず、そのまま静かに転換して下さい。新品のうちはギアーが少しなじむまで一回でギアーがか嚙合わない場合がありますが、無理をせず少しお使いになっているうちにスムースに入ります。

③ 装填したフィルムが36枚撮りの長捲か、20枚撮りの短捲か良く確めて、長捲フィルムならばワイドラックスは21枚写り、短捲ならば11枚が限度でそれ以上捲切らないように何枚撮影されたか必ず良くフィルム カウンターを見ながら撮影して下さい。
これを怠って捲過ぎると撮影が済んでからフィルム捲返しができなくなりますから、ご注意下さい。

④ 画角140度、天地50度、左右130度という驚異的な広角ですから撮影の時カメラを持った指先がカメラの前方に出ないよう充分気をつけて写して下さい。大丈夫と思っても指先が間々写ってしまう場合があります。

⑤ () その他被写体と撮影位置によって奇異に感ずる写真が撮れる場合があります。
それは横長い板塀とか建物に対し直角に向って極度の近接撮影をするとカメラを向けた中心点と140度広がった左右の距離は相当の距離差があるので、左右の違いところは縮少されて撮り、カメラに近い中心部は拡大されて写るので、ちょっと奇異に感じますが、これは普通のカメラでも同じ位置より動かずにワイドラックスと同じ角度を撮影すると、左右が縮少され中心はやはり拡大された写真となり同じ結果で、ワイドラックスのみに生ずるものではないということをお認め下さい。以上のようなことも撮影する位置とカメラの向け方によって全く自然な写真に写せますから、要は撮影の現場々々でセンスを生かして最も良い位置から撮影することが、どんな物を撮影するにしても一番大切なことです。
() 太陽の高い場合は差しつかえありませんが、太陽の低い朝日又は夕日に向って水平線や広い原野などで前景を入れずに撮影した場合、ネガの片側か場合によって両側に縦線が出て露出がはっきり違って写る場合があります。これはシャッター ムラではありません。
太陽が低いため光線がレンズに直射している時シャッターを切るとレンズ シリンダーが回転し、この時シリンダー窓で直射光線を遮ります。この現象ですから何か適当な前景を多少入れて撮影すると防げます。


以上申し述べましたことは、誤った操作をなさらないよう例を引き順を追って説明申し上げましたので長くなりましたが、チェックして見れば技術を要す困難な点は別にございませんから、一日も早く使い馴れてワイドラックスによる貴方の素晴しい作品をご期待申し上げます。

おわり

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